◆2018年ロシアW杯アジア2次予選 ▽E組第1戦 日本0―0シンガポール(16日・埼玉スタジアム)
元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏(60)が、0―0の引き分けに終わった16日のロシアW杯アジア2次予選シンガポール戦の観戦記をスポーツ報知に寄せた。同じフランス国籍で、アフリカのチームを率いるなど似た経歴を持つバヒド・ハリルホジッチ監督(63)に対し、選手のコンディション不良を指摘。引いて守る相手に対しての攻略法も提言し、じっくりボールを回してスキを突く戦い方も必要だと説いた。
引き分けは本当に信じられない。日本は恐らく10回戦えば9回は勝っていた。それだけ実力差があったが、得点が奪えなかったのは驚きだった。
自分たち固有のスタイルでプレーしなかったことが1つの理由だろう。ショートパスをつないでいくスタイルだ。攻め急いでいた印象で、ボールを前後左右に動かし、できるだけ早く前に運ぼうとしていた。そしてクロスを上げゴールを狙った。日本のチャンスはクロス、CK、FKからで、それ以外に得点の可能性はなかった。シンガポールの守備も良く、運がなかったとも言えるが、それは私の知る日本のスタイルではない。個の力が差を作り出す戦い方だ。個で勝負するには選手のコンディションがとても重要だが、日本の選手は疲れていてフレッシュな状態にはなかった。
6月という時期を考えれば当然。欧州でシーズンを終えたばかりの本田、岡崎、香川らは明らかに動きにキレがなく、組織的なプレーがまったくできなかった。6月に選手をいい状態でプレーさせるのは難しい。フランス代表も最近、それでアルバニアに敗れた。大国の選手ほど消耗が激しく、小国はそこまで疲弊してはいない。だから番狂わせが起こりやすい。
仮に日本が先制していたら、8―0で終わっていたかもしれない。しかし、得点が入らないため、シンガポールは最後まで集中力を維持できた。日本が彼らを助けた形だ。長いボールが空中を行き交い、グラウンダーでのパスのつなぎがほとんどなかった。
バイド(ハリルホジッチ)は、アジアで勝つための戦い方をもう少し考えるべきだ。攻め急ぐのではなく、じっくりとボールを回して相手のスキを突く。引いた相手に対しては、そうやってスペースを作っていくこと。今回はプレーがあまりに直接的でシンプルだった。アジアの小国が守りだけを固めてくることを理解すべきだ。
それにバイドは少し神経質になっていた。何かを心配して疑問を抱いている感じで、私の知る彼ではなかった。試合中、いつもはもっとスタッフと話している。足が地に着いている感じがなく、どうしたらいいのかわからず、途方に暮れていたのかも知れない。
初戦でつまずいたが、W杯予選突破の可能性は大きい。これが本当の日本ではない。バイドの目指す日本でもない。まさに事故だった。バイドはこれを糧にするだろう。彼は改めて理解したはずだ。勝つには大変な努力が必要であることを。だが、彼と日本代表には豊富な経験がある。
日本がグループ最強であるのは間違いない。シンガポール戦の悪いパフォーマンスはいい反省材料だ。バイドがチーム、選手、さらにアジアのレベルをよく理解するいい機会にもなった。彼にはそれらをよく分析して、対処できる能力がある。それだけ優れた監督だ。
◆トルシエ氏とハリルホジッチ監督の戦術
▽トルシエ監督 代名詞は、宮本主将ら3人のDFが一直線に並ぶ「フラット3」。オフサイドトラップを活用してラインを高くし、陣形をコンパクトに保つ。高い位置からプレスをかけ、ショートカウンターを狙う。ショートパスを織り交ぜつつ、サイドを起点とした攻撃が特徴。主力は中田英、稲本、鈴木隆ら。
▽ハリルホジッチ監督 守備面では球際で競り勝つことを要求する。縦への意識が強く、ボールを奪ったら速攻とカウンター。少ないタッチでボールを前に運び、3、4人が絡んで得点を狙う。全員攻撃、全員守備のハードワークを好む。
◆フィリップ・トルシエ 1955年3月21日、パリ生まれ。60歳。DFとしてスタッド・ランスなどでプレー。83年から指導者に転じ、U―15仏代表や仏クラブの監督を務めた。コートジボワールなどアフリカ各国のクラブや代表監督を経て、98年に日本代表監督に。U―20代表及びシドニー五輪代表監督も兼任し、16強入りした02年の日韓W杯後に退任。マルセイユ、FC琉球総監督などを経て、今季から中国の杭州緑城監督。
セルジオ越後はこんなこと言っています
動きは重いし、ゆとりはないし、形もひどい。
守りを固めてきたシンガポールを相手にスコアレスドロー。まあ、なるようになった結果だね。
シンガポールは明らかに格下の相手。だからこそ、彼らは日本の実力を認めて、割り切った戦いをしてきた。
守備にあれだけ人数を割かれて、球際にも激しく来られれば、日本も苦戦して当然だよね。
5日前のイラク戦とは大違いだ。あまりにもやる気が感じられないイラクが相手なら、日本の選手も上手く見えるけど、“本気”のシンガポールは厳しい相手だった。
それでも日本は攻め込んで、多くのチャンスを作ったけど、ゴールを割れなかった。アジアカップのUAE戦のデジャブかと思ったよ。
今の日本は、思うようにならないと、自分たちで崩れていってしまう傾向にある。難しい状況を打開する力がないんだ。
監督に言われたこと以上のことができない。ハリルホジッチ監督の存在感が大きすぎて、みんな怯えながらやっている感じだよね。
言うなれば、部活の怖い顧問に怒鳴られて、萎縮してしまっているのと一緒。
ハリルジャパンは、まるで高校生のようだ。怒りにまかせて、監督がベンチの近くでペットボトルでも蹴ろうもんなら、怯えて試合どころではなくなるかもね。
そんなハリルホジッチ監督が「日本のサッカーを変えた」という声も僕の耳には届いているけど、本当にそうなのか大いに疑問だよ。
「縦に速いサッカー」が取り沙汰されているけど、よく考えてもみてよ。
2次予選の段階では、相手はよほどの強豪でないかぎり、日本をリスペクトして引いて守ってくる。
つまり、ゴール前にスペースなんてないんだ。
引いた相手に縦に速いサッカーが通用すると思う?するわけがないよね。スペースがなければ、柴崎もマジックなパスを出せない。
シンガポール戦では、ご自慢の縦に速いサッカーが通じないと見るや、急にサイドに展開し出したけど、サイド攻撃なんてこれまでほとんどやってなかったはずだ。
バイタルエリア付近でのワンツーやミドルといったアイデアもない。
サイドからクロスを入れようとするけど、酒井宏樹のクロスなんて目も当てられない代物だったよ。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150617-00010000-sdigestw-socc
SOCCER DIGEST Web 6月17日(水)0時55分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150617-00010000-sdigestw-socc.view-000
ご自慢の「縦に速いサッカー」も引いた相手には通用しない。柴崎もマジックなパスを出せなかった
おまえ、シンガポールに大勝するっていってたろーが!
ウソツキメ!